キャラクターダンスとクラシックダンスのつながり “2”

さて、何の為に"en dehor"が必要なのかというと、

まず1つは、足を外反して開くことで、

軽快に、優雅に全ての動きを行う事を可能にします。

このため、踊り手は客席へ顔を向けたまま、

横から横へ移動する事ができます。

 

2つ目は、"en dehor"に不可欠な股関節からの開きを行う事によって、

骨盤・両大腿骨は水平線上に並び、身体のバランスを崩すことなく

足を軽く動かすことができ、空中に足をいちだんと高く上げる事ができます。

 

バランスを保つためには、足先だけを外に開いて立つのではなく、

股関節から足を開かなくてはなりません。

"en dehor"は、身体のバランスを最大限に保った上で、

最大限自由な動きを与えてくれるのです。

 

3つ目は、身体の開いたラインによって、

踊り手の全体的な外見がより魅力的になる事です。

 

では、キャラクターでは「ポワント(トウ・シューズ)」があるでしょうか?

 

 

そのままの言葉の意味で捉えるとすれば、

レッスンの中では必要ありません。

でも、もしキャラクターの練習の中にそれがないとすれば、

それが可能なのは舞台作品のジャンルの中です。

 

古いバレエでは ― ポワントを履いて踊るキャラクターダンスを

別のジャンルとして、"demi-classique"(デミ・クラシック)

もしくは"demi-caractere"(デミ・キャラクテール)と呼んでいました。

 

これは別の作品としてか、その一部として、

A.ゴールスキー振付“ドン・キホーテ”、

“せむしの仔馬”の最終幕でバレリーナが踊るロシアの踊り、

“ライモンダ”の最終幕で踊られるクラシック“ハンガリー”の"Pas"、

M.プティパの作品に入っています。

 

クラシックの中で高い"demi-point"

(E.チケッティ:3/4 point)がもっともよく使われていますが、

キャラクターでは高い"demi-point"(デミ・ポワント)と同じように、

低い"demi-point"(1/4 point)もよく使います。

 

また"Plie"(プリエ)のいくつかの違いもあります。

キャラクターではその使用範囲が広くなります。

多くのキャラクターでは膝を曲げて踊りますが、クラシックの

基本原則のように"plie-releve"(プリエ‐レレベ)というのとは逆に、

"demi-plie"(デミ・プリエ)もしくは"grand plie"(グラン・プリエ)のまま

止まったり動いたりする動きがとても良く使われます。

 

また、クラシックの"plie"や"releve"は

基本的に柔らかくなめらかに行い、硬く鋭く行うことは稀ですが、

キャラクターでは、柔らかい"plie"と同じように硬く鋭い"plie"もよく使います。

 

"Epaulement"(エポールマン)の規則はキャラクターでも同様です。

もっと多いと言っても過言ではありません。

 

クラシックとキャラクターでの"epaulement"を比べるとキリがありませんが、

歴史的にみると、この規則は初めにキャラクターとグロテスクな踊りから

生まれ、その後クラシックにも取り入れられたと言えます。

 

キャラクターの中での頭の動きは、クラシックと比べ、より自由です。

深く下へ下ろしたり、横から横へ混合させたり、より鋭い回転や後ろへ

倒したり、殆どクラシックではしないような動きが多数存在します。

ウズベキスタンやアルメニア等のオリエンタル(東洋)の踊りの中には、

大変幅広い特徴的な頭の動きがあります。

 

上体と手の動きのクラシックでの規則は明確に決められています。

踊り手は背中と動き方に大きな注意を向けてそれを保ちます。

キャラクターの動きの中でもクラシックからの基本的な動き

("pirouette":ピルエット, "tur":トゥール,

"cabriole":カブリオールの一部等)では、

クラシックと同様に背中を保たなければいけません。

 

それと並んで、キャラクターではクラシックでは全く使用しない

上体の使い方もあり、鋭く深い"renverse"(ランベルセ)や“ブリッジ”という

上体を前後にほぼ90°揺らす動きなど、クラシックの上体の保ち方の

規則を破るようなポーズや動きが出てきます。

 

 


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