キャラクターの総合的な踊りのテクニックでいつも必要なことは、

足の動きだけで成り立っているのではなく、

踊りの中で身体全体の係わりが要求されているということです。

 

その為、キャラクターでは全て更に大きく広く様々な上体、

手や頭の動きが創られていきます。

 

ただ、上体の動きを使わない、絶妙な足の動きだけの踊りは

タップダンスのステージ等でよく見られますし、一部として、

グルジアの“レクールィ”という踊りや、

カフカスの踊りでは上半身を動かさないで登場します。

 

キャラクターの手の動きは、

クラシックの"port de bras"(ポール・ド・ブラ)だけではありません。

 

 

東洋の民族舞踊の中の最も表現豊かな手の動きは、

今日でも舞台用の踊りの中では存在しないような美しい動きであり、

民族の特徴をつかむ上でも必要です。

 

また、手先の動きも重要です。

クラシックのように手先のポジションを変えずにずっと保つのではなく、

キャラクターでは、指先や手首をそれぞれ動かし、手を下へ下ろしたり、

手の平を客席の方へ向けたりと様々な動きがあります。

 

例えば、手先で拳を作ったり、真っ直ぐに伸ばしたり、

様々なポジションで半円を描くように動かしたり等です。

 

これはただ単にクラシックからの借用という意味ではなく、

クラシックでのきまりで動かすよりも、

踊りの中でより難しく手先を使っているという事です。

 

今ここで、キャラクターの中にある全てのクラシックの"pas"と

その類似を順番に整理して書くことはしませんが、

キャラクターの中にクラシックの"pas"が入ってきたことにより、

多面的に理解できる進化をとげました。

 

振付家達の志向は民族学上へ向かい、

一方では、新しい動きのバリエーションへの探求 ―

他方では、踊りの中の基礎の迫真力・生彩に力を注ぎ ―

最終的に、これらの"pas"が影響を及ぼし、

結果的にキャラクターの"pas"はそのジャンルの中で増えていきました。

 

こうして、"pas de basque"(パ・デ・バスク),

"pas de bourree"(パ・ド・ブレ), "balance"(バランセ)等の

様々なキャラクターの"pas"が生まれました。

 

クラシックの"pas"は、キャラクターの中で

加工されていき、その原点へ戻って来ます。

スペインの踊りの中では"pas de bourree"が特に強化されましたが、

"pas de bourree"は沢山の民族舞踊の中に見られます。

 

要するに、クラシックダンスからではない、独自の動きができ、

ここでキャラクターダンスは民族の舞踊へと還るのです。