diana and actaeon

バレエ「ダイアナとアクティオン」は、バレエ「エスメラルダ」の中の踊りで、

ギリシャ(ローマ)神話を題材にしたパ・ド・ドゥです。

ペロー版の「エスメラルダ」初演は1844年。

1886年にマリウス・プティパが改訂版を上演したときに、

物語の本筋とは関係ないディヴェルティスマンとして加えられました。

(※ ディヴェルティスマン:ストーリーとは直接関係ない余興のこと)

神話はとても残酷なストーリーですが、バレエでは ―

ディアナは大勢のニンフをコールドに従えて

アクティオンと恋人のように、グラン・パ・ド・ドウを踊ります。

 

「月と狩猟の女神ダイアナとアクタイオン」

ディアナまたはダイアナ (Diana) は、ローマ神話に登場する狩の女神です。

ギリシャ神話では、アルテミスに相当します。

 

アウトノエという女神は、アポロンの息子アリスタイオスと結婚し、

息子アクタイオンが生まれました。彼は、ケンタウロス(半人半馬)の

賢人ケイローンに育てられて狩猟の術を授けられました。

(一説には狩猟を教わったのは実父からであったともいう。)

 

ある暑い夏の日、アクタイオンはキタイローン山中で50頭の犬を連れて

猟をしていましたが、あまりの暑さに喉が渇いたので、森の中の泉に出かけました。

木の葉の間からその泉が見えてきた時、そこで女たちが群がって

水遊びをしていたのです。アクタイオンが驚いて眼を見張った瞬間、

その女たちに取り囲まれてしまい、そこに、ひときわ美しい女が目に入ったのでした。

 

突如、凛とした女性の声が響きわたりました。

「私の裸を見たと、皆に言いふらすがよい」

その声に驚いたアクタイオンが後じさりするとまもなく、

水の飛沫が彼の全身に降りかかってきました。

すると、この青年は見るまに頭から大きな角が生え出したのです。

身体全体が斑の短い毛で覆われ、あっという間にアクタイオンは

牡鹿に変身させられてしまいました。

 

この女性こそ、狩猟の女神ダイアナです。

彼女と一緒にいたのは女神に付き添っているニンフたちでした。

生涯結婚をしないで孤高を守る処女神でしたから、彼女にとって

若者に水浴中の裸身を覗き見られたのは大変な屈辱だったのです。

ダイアナは怒り、あまりの腹立たしさにアクタイオンを鹿に変え、

その連れていた50頭の犬に襲わせ、その自分の犬たちによって、

アクタイオンは引き裂かれて死んでしまったのです。。。

 

バレエ「エスメラルダ」 全3幕

音楽:チェーザレ・プーニ /原作:ヴィクトル・ユーゴー (ノートルダム・ド・パリ

原振付:ジュール・ペロー、マリウス・プティパ

Bolishoi Ballet – Esmeralda Diana and Acteon (Variations) Lantratov & Krysanova

主要登場人物

エスメラルダ:美しいジプシーの娘 / カジモド:ノートルダム大聖堂の醜い鐘つき男
クロード・フロロ:ジョザの司教補佐 / フェビュス・ド・シャトーペール:王室射手隊の隊長

 

15世紀末の社会不安に満ちた暗いパリが舞台。

第1幕1場

ノートルダム寺院の広場に迷い込んだ詩人グランゴワール。浮浪者のリーダーにこの国の女性と今すぐ結婚しない限り絞首刑にすると言われ誰も相手にしてくれず困り果てていた時に、美しいジプシーの踊り子エスメラルダが結婚相手を買って出てくれ二人は結婚する。

司祭フロロはそのエスメラルダに惹かれ、カジモドに誘拐するように命じる。

カジモドに誘拐されそうになったエスメラルダをフェビュスが救い、二人は一目で恋に落ち、フェビュスは婚約者フルール・ド・リから贈られたスカーフを愛の印しとしてエスメラルダに与える。エスメラルダはカジモドを逃がしてくれるよう懇願し、フェビュスはカジモドを解放する。

 

第1幕2場

自室に戻ったエスメラルダがフェビュスを思って部屋中に彼の名前を書きちらしたあと休んでいると、グランゴワールがやってきて妻となったエスメラルダに触れようとする。エスメラルダは結婚したのは愛のためではなく同情からだと言って拒絶。グランゴワールは部屋から出される。
フロロがエスメラルダの部屋に侵入し迫るが、エスメラルダはフェビュスを愛していると伝え拒絶。部屋の外に居たカジモドの機転で難を逃れる。フロロは復讐を思いつく。グランゴワールが誰も居なくなったエスメラルダの部屋に戻ってきてたたずむ。

 

第2幕1場

フルールの母エロイーザの館で、フルールとフェビュスの婚約の祝宴が開かれる。フェビュスの首に自分が贈ったスカーフがないのをフルールは不審に思う。
祝いの踊りが披露される。<ディアナとアクティオンのグラン・パ・ド・ドゥ>

余興に招かれたジプシーとしてエスメラルダ、グランゴワール、エスメラルダの友人たちがやってくる。エスメラルダはフェビュスに与えられたスカーフをかけているが、踊り始める前にすぐに外しグランゴワールが持っていく。フェビュスを見て嬉しそうにするエスメラルダ。しかし傍らのフルールの手に跪いて口づけする彼を見て全てを悟り悲しみにくれる。エスメラルダはグランゴワールに励まされつつ、友人たちと踊りを披露する。

踊り終わるとグランゴワールがスカーフを持ってきて再びエスメラルダの首にかける。それを見てフルールが問いただし、エスメラルダはフェビュスにもらったと伝える。フルールと母は怒り嘆く。エスメラルダたちは逃げ出し、フェビュスは最早これまでとその後を追う。

 

第3幕1場

パリの通りから遠く離れた居酒屋にエスメラルダとフェビュスが逃げてくる。二人は愛を確かめ合う。追ってきたフロロが嫉妬のあまり後ろからフェビュスを刺す。フロロはエスメラルダを犯人に仕立て上げ、エスメラルダは連行される。カジモドは全てを見て真実を知っており、エスメラルダを思って胸を痛める。

 

第3幕2場

大聖堂の周りで道化祭が行われ、カジモドが「道化祭の王」に選ばれる。いちばん醜い人間が選ばれるという道化祭の王だが、カジモドが皆に担ぎ上げられまんざらでもない風でいるとフロロがやってきて彼の頭に載せられた冠を叩き落す。

エスメラルダを死刑台に連れて行く行列がやってくる。友人たち、グランゴワールと嘆き悲しみ別れを惜しむ。フロロはフェビュスを刺し、エスメラルダを連行させたときに残されたスカーフを持っており、それをエスメラルダの前に落とす。スカーフを抱きしめるエスメラルダ。カジモドは見ていることしか出来ない。

エスメラルダは死刑台に上っていく。

黒衣のフェビュスが現れ、スカーフを手に呆然とたたずむ。