バレエ用語集 ― 打つパ、回転するパ、踊りの種類

舞台芸術には、バレエのみならず、オペラや演劇、ミュージカルなどがありますが、

いずれも、戯曲(物語・シナリオ・構成)、劇場、舞台装置(美術・演出)、衣装、メイク、

照明、音楽・音響、そしてダンサーや役者のパフォーマンス(身体表現、演技表現)等、

たくさんのスタッフの共同作業により、様々な分野が一つになって舞台が完成します。

 

そうした創り手と観客が、一つの空間と時間を共有することによって

感動が湧きあがり、舞台芸術という一つの作品ができあがります。

ballet dance

 

打つパ ― ザノースカ

バレエ用語

読み方(日本語)

フランス語の意味

Pas battu パ・バッチュ バッチュは「打つ」の意。
Brise ブリゼ ブリゼは「割る」、「こわす」の意。
Cabriole カブリオール カブリオールは「(山羊や馬などが)はね上がる」の意。
Entrechat
– royale
– trois
– quatre
– cinq
– six
– sept
– huit
アントルシャ
– ロワイヤル
– トロア
– カトル
– サンク
– シス
– セート
– ユイト
「織る」、「編む」の意。
– 「国王の」の意。
– 「3つ」の意。
– 「4つ」の意。
– 「5つ」の意。
– 「6つ」の意。
– 「7つ」の意。
– 「8つ」の意。

 

 

回転するパ ― トゥール

バレエ用語

読み方(日本語)

フランス語の意味

Pirouette ピルエット 「旋回」の意。基本的には、両足で踏み切って、片足で回るパ。
Tour
– degagee
– chaine
– pique
– fouette
– en L’air
トゥール
– デガジェ
– シェネ
– ピケ
– フェッテ
– ザン・レール
「まわる・回転」の意。
– バットマン・デガジェの意。
– 「鎖(クサリ)」の意。
– 「刺す」の意。
– 「鞭打つ」の意。
– 2回転以上するトゥール・アン・レールの事。
Renverse ランベルセ 「さかさまに、仰向けに」の意。
Fouette rond de jambe en tournant フェッテ・ロン・デ・ジャンプ・アン・トゥールナン フェッテは「鞭打つ」、アン・トゥールナンは「回りながら」の意。片足を床に下ろさずに鞭のように振って、他の片足で立ってまわるパ。32回転連続してまわる事が一つの目安となっている。
Pied a terre ペアテ(ピエ・ア・テール) フェッテ・ロン・デ・ジャンプ・アン・トゥールナンに対し、ペアテは1回ずつ足をア・テールに下ろして行うピルエット。

 

 

踊りの種類

◇ヒストリカルダンス/宮廷(歴史)舞踊

1533年、イタリア、フィレンツェのメディチ家からフランス王室に嫁いだカトリーヌ・ド・メディシスによりバレッティ(Balletti)がフランスにもたらされ、バレ(Ballet)と呼ばれた。最初のバレエ作品:「ポーランド人のバレエ」、「王妃のバレエ・コミック」。

ルイ14世により、1661年に王立舞踏アカデミーが創立された。ルイ14世の舞踏教師ピエール・ボーシャンによってポジションが定められ、舞踏符が確立されるなど、バレエがダンスとして体系づけられた。1670年にルイ14世が舞台から引退すると、バレエは宮廷から劇場に移り、職業ダンサーのダンスに変化していった。

◇カドリーユ/カドリーユ Quadrille

フランス中世に発生し、宮廷舞踊等にも変形した踊りで、男女2人ずつがペアになり、方形になって踊る踊り。スクエア・ダンスに派生。転じて群舞のダンサー(コール・ド・バレエ)を指す場合もある。

◇ワルツ Waltz

ワルツ(waltz)はドイツ語のWaltzerが語源で、「転がす」という言葉(waltzen)から由来し、体を回す踊りであることを意味する。近世ヨーロッパに発した舞曲で、「円舞曲」などと訳される。4分の3拍子を基本とし、1拍目にアクセントがつく。

◇社交ダンス

儀式や舞台用ではなく一般人が男女のペアになり楽曲にあわせて自由に、男性がアドリブで考えた動きを女性に伝えて、二人で一緒に楽しむダンス。ソロ・ダンスでもなく、群舞でもなく、ペアー・ダンスと呼ぶ。

最初に誕生した社交ダンスは、ワルツ (ウィンナワルツ)だった。ワルツのルーツはヨーロッパの民衆の中で踊られていたダンスだと言われている。ホールドをしないで踊るラウンドダンスが16世紀のエリザベス1世の頃まで続いた。その後ラ・ボルタと呼ばれる体をコンタクトして踊るカップルダンスが登場する。18世紀後半、ウィンナワルツで一対の男女が向かい合ったクロースホールドで踊るようになって現在の形になったことが、社交ダンスの誕生とされている。

 

◇ロマンティック・バレエ

18世紀後半にフランス革命が起こると、伝統や権威に反発し自由で神秘的なものを重んじるロマン主義がヨーロッパを席巻し、。「ラ・シルフィード」や「ジゼル」等、ロマンティック・バレエ(ロマン主義のバレエ)が誕生した。くるぶし丈のふんわりとしたロマンティック・チュチュを着た女性ダンサーの、ポワントの技法による軽やかな動きが特徴。

バレエ・ダクシオンの提唱もあり、後に誕生するクラシック・バレエよりも、踊りによってストーリーを表現する演劇としての要素は強い。

◇クラシック・バレエ

ロシアではフランスの宮廷バレエが伝わり、1730年頃にはフランス人ジャン・バティスト・ランデによりサンクト・ペテルブルクにバレエ学校が創立された。ドラマ主体のロマンティック・バレエに、物語とは無関係のダンスシーンを取り入れたことから、クラシック・バレエ(古典主義のバレエ)と言う。

クラシック・バレエでは技法はどんどん複雑になり、動きやすいように丈の短いチュチュが考案された。これをクラシック・チュチュと呼ぶ。ロマンティック・バレエでは1回回るのがやっとだったが、32回のフェッテまで演じられるようになった。2人で踊るグラン・パ・ド・ドゥなどの様式も成立。ダンス(ディヴェルティスマン)とマイムが分離されて演じられるようになり、現在のバレエの構成が完成した。

◇グラン・パ・ド・ドゥ Grand Pas de Deux

フランス語を直訳すると、(もっとも)華やかな二人の踊り、の意味。男女主役による組みの踊りで、通常アントレ、アダージョ、男女のヴァリエーション、コーダから成る。

◇アントレ Antree

「入る・入口」の意のフランス語から発し、入場・登場の踊りを指す。

◇アダージオ Adagio

イタリア語の「ゆったりとした」の意味の音楽用語から派生し、バレエではゆったりとしたテンポの曲にのって踊られる踊り、特にパ・ド・ドゥの中の踊りを指す場合が多い。

◇ヴァリエーション/ヴァリアシオン Variation

「変化・変形」という意味のフランス語に発っするが、一つの主題についての変種の踊りを指す。バレエでは一般にソリストによる一人の踊りを指すことが多い。

◇コーダ Coda

音楽用語(イタリア語)の「終曲」の意味に発する。バレエでは一般にフィナーレの踊りを指す。

 

◇キャラクター/キャラクター・ダンス Character Dance

本来は「人物・人格」などの意味、及び劇中登場人物を指す言葉だが、バレエではクラシック・バレエのテクニックを用いた踊りに対し、民族舞踊から発したダンスを指す場合が多い。また演技中心の出演者、例えばドン・キホーテやコッペリウス、などを指して「キャラクテール」と呼ぶ。

◇民族舞踊/フォークダンス

各民族・各地方に伝わる民俗舞踊。民族音楽を楽しみながら複数で踊るダンス。

その国の宗教や歴史、祭りや伝統文化に沿って踊りが創作されてきた。

◇タランテラ

イタリア南部地方に伝わる舞曲で、8分の6拍子または8分の3拍子を基本とする。ゆっくりしたテンポで始まり、次第にテンポが速まってゆく。 バレエでは「ロミオとジュリエット」などの中で踊られる。

◇チャルダッシュ

ハンガリーの民族舞曲で4/2拍子を基本とし、ゆるやかなテンポで始まり、中盤以降は急速なテンポとなる。バレエでは「白鳥の湖」や「コッペリア」で踊られるのが有名。

◇マズルカ

ポーランドのマゾヴィア地方が起源の民族舞曲。3拍子を基本とし、古くから一般庶民の間で広まった。2拍目または3拍目にアクセントがつくことが多い。。「マズルカ」というのは総称で、テンポやリズム的な特徴によって、マズール、オベレク、クヤーヴィヤクなどに分類される。バレエでは、「白鳥の湖」や「ライモンダ」などの中で踊られる。

◇ポロネーズ

「ポーランド人」の意味から発し、ポーランドに伝わる3拍子のゆるやかなテンポの民族音楽・舞踊を指す。ポロネーズは貴族階級の間で広まり、ポーランドの宮廷で、儀式などの際に、行列を組み荘重に踊られていた3拍子の舞曲。バレエでは、「眠れる森の美女」などで踊られる。

 

◇モダン・バレエ(ダンス)

古典的なクラシック・バレエに対し、技法にとらわれず、自由に身体を使って表現する舞踊のこと。明確な定義がある訳ではないが、主に19世紀後半から20世紀、文字通り近代に発達した舞踊。 当時、ミハイル・フォーキンはイサドラ・ダンカン(モダン・ダンスの祖)に衝撃を受け、クラシック・バレエにない新しいステップや民族舞踊を採り入れた、革新的な振付をした。そのモダン・ダンスの要素を取り込んだバレエをモダン・バレエと言う。

◇コンテンポラリー・ダンス

クラシック・バレエに対して広義でのモダン・バレエ(ダンス)に含まれると考えて良いが、語源通り、より現代的な多種多様な表現様式を取り入れた舞踊とのニュアンスを持つ。明確な定義がある訳ではない。

◇タップダンス

モダンダンスの一つ。元来はアメリカ南部の黒人のダンス。タップスと呼ばれる金属板を靴底の爪先(ボウル)と踵(ヒール)につけて床を踏み鳴らしながら踊る。

◇ジャズダンス

バレエの要素を取り入れたダンスのジャンルで、20世紀初頭にアメリカで誕生した。 名前の由来は当初アフリカ系アメリカ人がジャズミュージックに合わせて踊っていたことからこの名前が付いた。 バックダンサーやミュージカルで多く見られる。

◇ヒップホップダンス

音楽のヒップホップの誕生とともに発達してきたダンスで、これでなくてはいけないといった決まりがない事が特徴である。バレエ、ジャズ、タップ、ダンスホールレゲエや民族舞踊など、様々なダンスの要素が取り入れられている。また、時代によってスタイルが大きく変化する。

 

◇ガラ

本来の「お祭り(騒ぎ)の」という意味から派生して、ある作品の全幕を上演するのではなく、一部の幕のみやグラン・パ・ド・ドゥなど最も華やかな踊りばかりを集めて上演する形式のコンサート。

◇ソワレ

夜興行。フランス語の「夕方・晩」という意味から、夕刻・宵から始まるコンサートを指す。

◇マチネ

昼興行。ソワレに対し、日中開演するコンサート。

◇ワークショップ

「講習会・研修会」の意味。 外国人講師を招いてのバレエの実技講習会をワークショップと呼ぶ場合が最近多い。

 

◇有名な国際バレエ・コンクール

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