スタニスラフスキー・システム (続き)  

スタニスラフスキーの芸術的遺産を解析する事により、演劇の重要な問題に

関連する、システムの主なポイントを区別することが出来ます。

まず第一に、公演パフォーマンスの創作芸術についての

この教えは、その全てのメンバーの創造性に基づいています。

俳優、アーティストは、このスタニスラフスキー・システムの中心人物です。

それらの性質と俳優の創造性の法則について、

メソッドと管理技術の指導に関する教えは ― 世界の文化の歴史の中でも、

スタニスラフスキーの非常に貴重な貢献です。

 

俳優は人生を学ぶ必要があることを、ロシアの演劇は、

まだシェープキンの時代の頃から知っていました。

しかし俳優は、その新しい側面を開いて、自分の精神的な感情的性質を

探るために、自分自身の内面世界を学び、観察する必要があるということを

初めて語ったのはスタニスラフスキーです。

 

スタニスラフスキーは俳優の仕事の中で

“意識”と“無意識”を繋げるという結論に達し、そして初めて、

創造性の“意識”のコントロール、“無意識”のプロセスの可能性を示しました。

彼はこう書いています:「真の芸術は、意識的に、超意識の創造への、

無意識の創造的な性質を自分自身にもたらす方法を教えるべきものである。」

また、彼が提案するアプローチは:

「本来の自分の本質を知り、それを規律に慣らせば(躾ければ)、

才能の存在の下で、あなたは偉大な芸術家となるでしょう。」

 

スタニスラフスキーは“芸術体験(経験)”という公式で

新しいアプローチの本質を表現しました。

俳優の演技は、これによって模範の条件に限定されることなく、

各公演ごとに、あらかじめ考え抜かれた人生の論理と表現する

イメージの発展のもとで、再び役を生かしていくのです。

 

スタニスラフスキーは、俳優達に“自身から離れていく”ことを提案しています。

これは俳優が、芝居の中の自分の役柄に対し、その中で起こっていることに

対して、十分に自身の本質を反応させて、その人生の条件の枠組みの中で、

正確に自分自身を演じようとすることを意味します。

 

そして、スタニスラフスキーは重要な結論を出しています:

「イメージを演じるのではなく、イメージになる(役柄を演じるのではなく、

その役になりきる) ― これが演技の創造性の最高の形である」

 

まさにこのようなアプローチから、“芸術の体験(経験)”、

“精神的なリアリズムの芸術”が誕生しました。

心理的条件の絶対的な確実性を実現しながら、

イメージ(表現する役)の人生を生きる ― システムのこういった

鍵となるものがシステムに取り入れられました。

 

心理的リアリズムの概念は、新しい劇場の虎の巻となりました。

スタニスラフスキーの発見は、俳優の内面世界を、

創造の主な情報源として見るということにあります。

 

システムの意味を評価し、そしてシステムを実際に認識して

反対する評論家の声を、誰よりもいち早くシステムの意味を理解した

M.チェーホフは、こう書いています ―

「こう言う人を見つける恐れがある:

神秘的で無意識の中で生きている演技の創造性の行為としては、

あまりにも論理的で学術的であり、このシステムは枯れている。

その回答は:

システムは、ただ単に“学術的”なのではなく、“学問”そのものである。

論理的なのは、練習の上で、これから能力を上げていく必要のある

人達みんなの為のものであり、要するに、無限に限りなく、

そして芸術的ではない本質の為にあるのである。

このシステムは“実用的”なガイドです….

システムは ― “体系化”のある才能の為のものです。」

 

(体系化:ある主題・テーマ・領域において、その理論や方法、

法則などを系統立てて、一つのまとまった理論体制を整えること。

また、まとめあげること。)

 

 

舞台上の演劇的要素 

 

  • 舞台上での演技や構成に対して、効果的な空間の取り方。

 

  •  バレエ作品等の物語やあらすじを創造・構成する上での基本。