ロシアバレエの歴史1

ロシアバレエの歴史

ルネッサンス期にイタリアで生まれ、ヨーロッパで発展してきたバレエを、

ロシアでは18世紀に入ってから移入し始めました。

そのため、19世紀後半、プティパの時代まで、ロシア・バレエ界の

中心的な人物となったのは、ほとんどが西欧のバレエマスターでした。

 

18世紀のヨーロッパでは、ルイ14世のフランス宮廷バレエの時代の後、

オペラの付属物(オペラの幕間・休憩時間などに踊られていて、

バレエという独立した舞台ではなかった)や、

ディヴェルティスマン(小作品集)となっていたバレエを

独立したドラマティックな芸術にしようと、

改革者たちが熱い議論を交わし、演出で実践していたりしました。

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その中でも有名なのが、「舞踊とバレエについての手紙 (1968年) 」を

書いたジャン=ジョルジュ・ノヴェールです。

また、同じような改革論を唱えながらも主導権を握るために

ノヴェールと敵対していたフランツ・ヒルファーディングと、

その弟子のガスパロ・アンジョリーニがいました。

 

この改革者たちが活発に活動していた時代に、

ロシアはバレエを移入し始め、ロシア・バレエを育てるために

招聘されていたバレエマスターは、そのヒルファーディングと

弟子のアンジョリーニ、ノヴェールの弟子たちでした。

このような改革者たちが自らの理論を根付かせたことと、

最初にロシアで製作されたバレエの台本の中心となったのが、

18世紀のロシア文学、演劇界の巨匠A.スマローコフだったことから、

ロシア・バレエは初期から演劇や文学と結びつき、

ドラマ性を重視する傾向が培われてきたのです。

 

これらの18世紀のバレエ改革者たちの影響は、

ノヴェールの弟子で、19世紀始めにロシア・バレエの

リーダーを務めたシャルル・ディドロまで続きます。

才能豊かなディドロの指導のもと、ロシア・バレエは大きな飛躍を遂げました。

ディドロはメロドラマなどの創作法を取り入れて

感動的ドラマを演出し、ダンサーの演技が重要視されました。

技術的にもヨーロッパ諸国に肩を並べるダンサーを育成する中、

イストーミナ他“優れた女優(俳優)=優れたダンサー”が現れました。

 

また、ディドロは、その後の世界のバレエの発展に大きく貢献しました。

ワイヤーを使った飛翔を初めてバレエに取り入れ、

さらにワイヤーで吊ってつま先を床に触れさせることから、

ポワント(つま先立ち)の技術を生み出したとも言われています。

シルフィードのような薄手の軽い衣装も用いて、

月光の下での亡霊の踊りのシーンを1820年代に、すでに演出していました。

1830年代にフランスで始まったロマン主義のバレエシーンを、

すでに20年代に演出していたほど、創意あふれるバレエマスターでした。

 

こうしてロシア・バレエの基盤は、19世紀前半にディドロによって

しっかりと固められ、演劇と結びついたドラマティックな傾向は、

ロシア・バレエの大きな特色となりました。

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ディドロが退いた後、1849年にロマン主義バレエの振付家である

ジュール・ペローがリーダーとなりました。

ノヴェールの理論を信奉する彼は、やはりドラマティックなバレエを

最高の形態と考えて、先人たちほどマイムは使わずに、

踊りで心理描写を行おうとしました。

1859年からはアルトゥール・サン=レオンがロシア・バレエを率いましたが、

それまでとは違って、彼は作品の内容の深さよりも、

踊りの美しさで見せる豪華なバレエを創作しました。

 

1847年にロシアへやってきたマリウス・プティパは、

サン=レオンが去った後、ロシア・バレエ界に君臨しました。

70年代後半に、当時、民主的気運の高まっていたロシア社会を反映した

社会派的なドラマティック・バレエ「バヤデルカ」などを演出しますが、

それが観客の心をとらえ始めた途端、

1881年にアレクサンドル2世暗殺事件が起こり、反動の嵐の中、

民主的な気運を反映した芸術創造は全て不可能となってしまいました。

 

進むべき道を失ったプティパに、帝室劇場の新支配人でフランスびいきの

フセヴォロシスキーが、皇帝のための豪華絢爛たるバレエの創作を勧めます。

こうして、ルイ14世の宮廷バレエを再現するような祝祭的バレエ

眠れる森の美女 」(1890年)が出来上がりました。

初めて共同制作を行ったチャイコフスキーの情感豊かな音楽と、

がっしりとした古典主義構成の中で、プティパはそれまでよりもはるかに

自分の才能を活かし、今日まで演じ続けられている名作を残すこととなりました。

 

ロシアバレエの歴史②

ロシアバレエの歴史③




★チャイコフスキーの作品の音源と動画

「白鳥の湖」、「眠りの森の美女」、「くるみ割り人形」

3大バレエの生みの親・チャイコフスキーをもっと知ろう!

 



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