バレエ「ペトルーシカ(Petrouchka)」

ディアギレフのバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)のために、

イーゴリ・ストラヴィンスキー(1882-1971)が作曲したバレエ音楽

「ペトルーシカ(ピョートルの愛称)」(Petrushka:Петрушка)は、

1910年から1911年にかけて冬に作曲されました。

「火の鳥」(第1作:1910年)「春の祭典」(第3作:1913年)と並ぶ、

ストラヴィンスキーの三大バレエ音楽の一つです。

 

1911年6月13日にパリのシャトレ座で初演。

ブノアの装置、フォーキンの振り付け、ロシア・バレエ団による公演

(ペトルーシュカ役はニジンスキー、バレリーナ役はカルサーヴィナ)。

指揮はピエール・モントゥー。

 

おがくずの体を持つわら人形の物語で、主人公のパペット

(人形劇などで使われる操り人形の一つ)は、命を吹き込まれて恋を知ります。

 

ペトルーシュカは、いわばロシア版のピノキオであり、悲劇的なことに、

正真正銘の人間ではないにも関わらず、真の情熱を感じていて、

そのために(決して実現しないけれども)人間に憧れています。

 

ペトルーシュカは時おり引きつったようにぎこちなく動き、

人形の体の中に閉じ込められた苦しみの感情を伝えています。

この音楽は「ピアノが主体的な役割を演じるオーケストラ作品」として

最初に着想されました。副題は「4場のブルレスク」とあり、

民族主義的傾向が強く、風刺的、心理描写的な手腕も発揮されています。

そして後期ロマン派に通ずる感傷性や、リムスキー=コルサコフの<金鶏>

などの影響から脱し、非常に個性的になったといわれています。

ブノアの協力を得て、作曲者による4場からなる台本を作成したものです。

 

また、アール・デコを代表する挿し絵画家ジョルジュ・バルビエは

1913年に、ニジンスキーをモデルに版画集を出版しました。

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★ジョルジュ・バルビエによるヴァツラフ・ニジンスキーのダンス・デッサン


★子どものための美しい庭
サンドラさんのHPです。
分かりやすい解説に、たくさんの絵画や写真もあり、とても勉強になりますスマイル

 

 

バレエ「ペトルーシカ」のあらすじ

第1場「謝肉祭の市場」

バレエ「ペトルーシカ」Ⅰ / 音楽:ストラヴィンスキー

 

1830年頃のペテルブルグの海軍省前の広場が舞台。 宗教上の長い断食期間に先立って行われる「シロヴェティデ」と呼ばれる数日間の市場(ロシア版の謝肉祭)によって舞台が始まる。しばらく破目を外すことのできない日々を前に、
みんな大いに浮かれている。

謝肉祭に賑わう通りには、いろいろな屋台や見世物小屋が並んでいる。そのひとつから見世物小屋の老魔術師が出てきて笛を吹くと、小屋のカーテンが開き、【ペトルーシカ、バレリーナ、ムーア人】の、3つの人形達が姿を現す。

ペトルーシカは人形芝居一座の道化人形で、老魔術師によって命が吹き込まれ、 踊り子の人形らと共に謝肉祭の賑やかな市でロシアの踊りを披露する。

ペトルーシカはバレリーナに恋をしているが、力の強いムーア人にはかなわず、やっつけられてしまう。老魔術師が笛をとめると人形たちは動かなくなり、見物客たちは立ち去る。

 

第2場「ペトルーシカの部屋」

バレエ「ペトルーシカ」Ⅱ / 音楽:ストラヴィンスキー

 

老魔術師に、粗末な部屋へと放り込まれるペトルーシカ。

一面暗い色をした壁は、黒い星印や半月、老魔術師の肖像が飾られている。

ペトルーシカは人形だが、人間的な感情があり、老魔術師に対しては囚人のような気持ちを、 美人のバレリーナには恋心を抱いている。自由を求めて逃げ出そうとするが、果たせず気を落とすペトルーシカ。

ペトルーシカは、自分に人間の感情があることを恨み、寂しさや苦しみ、さまざまな葛藤を表現する。絶望と嘆きに包まれる中、彼が恋心を抱く一座の花形バレリーナの人形が部屋へ入ってきます。

思わぬ出来事にペトルーシカは喜び、自分の気持ちを伝えようと焦るが、 その不器用さがかえって軽蔑され、冷たく突き放されてしまう。バレリーナは立ち去ってしまい、ペトルーシカは哀しさと悔しさから、体をドアに打ち付けて泣き出してしまう。

 

第3場「ムーア人の部屋」

バレエ「ペトルーシカ」Ⅲ / 音楽:ストラヴィンスキー

 

洗練された容姿をもつムーア人の人形の部屋は、道化人形ペトルーシカの部屋とは対照的で、家具や調度品が豪華。ムーア人の部屋は、はるかに広々としており、明るい色調は愉快で豪奢な気分を盛り立てる。

主な色使いは赤、緑、青で、ウサギやヤシ林、異国の花々が壁を飾り、床は赤い。ムーア人は、ペトルーシカと違って、贅沢三昧の部屋で楽しくヴァカンスを過ごしている。

ムーア人が寝椅子に寝転び椰子の実をおもちゃにして遊んでいると、 ペトルーシカに愛想をつかしたバレリーナが入ってくる。

ムーア人はバレリーナと楽しそうにワルツを踊る。ムーア人はバレリーナが気に入り、膝にのせて口説き始めると、嫉妬に狂ったペトルーシカが飛び込んできて争いになる。

ペトルーシカはムーア人に体当たりするが、自分が小柄で弱いことを思い知らされる だけだった。ムーア人はペトルーシカを打ち負かしただけでは満足せずに、ペトルーシュカを追い廻し、ペトルーシュカは命からがらその部屋から逃げ出して行く。

 

第4場「謝肉祭の市場の夕方とペトルーシカの死」

バレエ「ペトルーシカ」Ⅳ / 音楽:ストラヴィンスキー

 

再び賑やかな謝肉祭の市。オーケストラは巨大なアコーディオンと化し、色とりどりの舞曲を導き出す。中でも最も有名なのは、ロシア民謡「ピーテル街道に沿って(Вдоль по Питерской)」に基づく最初の舞曲《乳母たちの舞曲》である。

そして熊と熊使い、遊び人の商人とジプシー娘たち、馭者と馬丁たち、そして仮装した 人々が交互に現われる。

お祭り騒ぎが頂点に達し、賑わう広場に突然悲鳴が響き、正面の見世物小屋から
ムーア人に追われたペトルーシカが飛び出してくる。ムーア人がペトルーシカに追いついて斬殺すると、人だかりが凍りつく(ここでムーア人は、人の心の苦しみに無常で冷淡な世間の暗喩となる)。

広場は大騒ぎになるが、急の報せに駆けつけた警官と老魔術師が、倒れたペトルーシカを抱き起こすと、それはまぎれもなく人形・・・市場の警官は老魔術師を尋問し、ペトルーシュカの遺体のおがくずを振って取り出し、ペトルーシュカがただのパペットであると皆を納得させ、平静を取り戻してはどうかともちかける。そして群集は、ほっとして去って行く。

夜の帳が降りて群集も掻き消え、老魔術師はぐにゃぐにゃしたペトルーシュカのむくろを担ぎながら去ろうとすると、その時恐ろしい叫び声(トランペットのソロ)が聞こえる。老魔術師が見上げると、ペトルーシカの亡霊が人形劇場の屋根の上に現われ、恨めしそうに見下ろしている。

ペトルーシカの雄叫びは、いまや怒りに満ちた抗議となり、ただ独り取り残された老魔術師は、ペトルーシュカの亡霊を目の当たりにして、恐れをなす。老魔術師はあまりの恐ろしさに、わが身の不安を感じて、怯えた表情を浮かべながら、人形を放り出して慌てて逃げていく。

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